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議事録への署名押印

(問題点)
 総会や理事会の議事録に署名押印は必要でしょうか。また、署名押印がない場合には問題となりますか。

(解決の糸口)
 まず、総会の議事録ですが、区分所有法第42条、および標準管理規約第49条にて、議長(理事長)および出席組合員2名の署名押印が必要とされています。

(区分所有法第42条)
1.集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
2.議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。

3.前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない。

(標準管理規約第49条 電磁的方法が利用可能ではない場合から抜粋。利用可能な場合もほぼ同様)
総会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。

 また理事会の議事録については、区分所有法上の規定はなく、標準管理規約第53条にて、総会の議事録の運用を準用するとされています。

(標準管理規約第53条 電磁的方法が利用可能ではない場合から抜粋。利用可能な場合もほぼ同様)
4 議事録については、第49条(第4項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第2項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。


 さて、議事録に署名押印がない場合はどうなるのでしょうか。総会議事録については区分所有法に罰則規定があります。

(区分所有法第71条抜粋)
次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした管理者、理事、規約を保管する者、議長又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。
三 第42条第1項から第4項まで(これらの規定を第66条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、議事録を作成せず、又は議事録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。

 区分所有法第71条で議事録の不備について20万円の過料が処せられるとされており、議長(理事長)および出席区分所有者(組合員)2名の署名押印の不備も含まれていると考えられます。
 一方で、理事会の議事録については、標準管理規約での規定のみであり、標準管理規約の構成上、罰則規定はないため、理事会の議事録への署名押印がない場合でも特に罰を受けることはありません。しかしながら、署名押印の不備がある議事録は証拠能力が弱いとされ、理事会決議内容に関して裁判となった場合でも、こうした議事録は証拠として評価されない可能性もあります。
 したがって、総会議事録だけでなく理事会議事録も、 議長(理事長)および出席組合員2名の署名押印をしっかり行いましょう。

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