管理組合役員への報酬支払
(問題点)
管理組合役員となっていますが、毎月の理事会参加を含めた組合事務を負担に感じています。せめて役員報酬があれば、モチベーションを維持できるのですが、報酬支払はできないものでしょうか。

(解決の糸口)
標準管理規約第37条第2項によれば、定めによって役員活動に対する報酬を受けることができるとされています。
標準管理規約 第37条
1 役員は、法令、規約及び使用細則その他細則(以下「使用細則等」という。)並びに総会及び理事会の決議に従い、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとする。
2 役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必要経費の支払と報酬を受けることができる。
しかしながら、報酬を支払うにしても、組合員からの管理費から捻出するわけですから、どの程度の支払いとするのかは慎重に検討する必要があります。多くのマンション管理組合が管理費や将来の修繕工事費用の不足に対応するため、様々な経費を節約していることと思いますが、そんな中で高額の報酬を支払うことは組合員から反対される可能性もあります。また大した活動もしていないのに、と思う組合員が出る可能性もあります。したがって、組合員の理解が得られるよう、理事会での議論を十分尽くしたのち、総会において組合員に丁寧に説明する必要があります。特に以下のようなポイントを議論すべきでしょう。
- 役員になっただけで報酬を得られるのではなく、1年間の実働に応じた支払とする。
- 具体的な支払額の内訳が総会時の会計報告で分かるようにする。
- 報酬額は地域別の最低賃金をベースに検討する。
- 以前の役員への遡及支払はしない。(経年劣化による検討事項・対応事項の増加を理由にする)
- 役員の活動が組合員にもわかるような工夫を行う。
また、理事長については特に事務作業量が多いため、役員とは別の報酬額を設定することも検討の余地がありますし、役員ではない専門委員会の委員への報酬も役員と同様にすべきでしょう。