大規模修繕工事の費用が足りません。
(問題点)
大規模修繕工事を計画していますが、費用見積もりをしたところ修繕積立金残高を超えています。どのような対応が必要でしょうか。

(解決の糸口)
まず、建物の状況から、すぐに大規模修繕工事が必要かどうかを判断しましょう。専門家からのアドバイスも参考になると思います。仮に工事を延期することが可能であれば、修繕積立金が必要な金額になるまで延期するというのが簡単な対応となります。
しかし、延期するのも劣化によるリスクが増すばかりで、そうは言ってられない事情があるかと思います。そのような場合には、以下の3つを検討しましょう。
- 工事項目の削減
大規模修繕工事の目的には、主に危険個所の対応、建物の長寿命化、美観・機能の向上が挙げられると思います。このうち、美観・機能の向上については、優先順位を下げ別の機会に対応することが考えられます。また、大規模修繕工事は足場を組んで実施することが多いと思いますが、足場がなくても対応可能な工事項目を延期するという対応もあり得ます。 - 工事一時金の徴収
組合員にお願いし、専有床面積の割合などで計算した一時金を徴収することで資金不足を賄います。徴収のお願いに先立ち総会での決議が必要となりますが、工事項目や費用見積もりなど組合員の賛同が得られなければ、否決となる可能性がありますので、十分に説明できるよう準備しましょう。 - 金融機関等からの借入
工事費用の不足金を金融機関等から借り入れる方法もあります。この場合、工事の妥当性だけでなく、管理組合会計の健全性、今後の返済計画なども求められますので、十分な検討が必要です。特に今後の返済計画は、さらに次の大規模修繕工事費用にも関わってくるので、無理なく返済できる金額に抑える必要がありますし、修繕積立金の増額を組合員にお願いすることも視野にいれましょう。